クラウド革命の祭典から
ビジネスイベントへの転機
米国ソフトウェア大手セールフォース・ドットコムは、11月6日~9日に年次イベント「Dreamforce 2017」を米国サンフランシスコ市内の展示会場「モスコーニセンター」を中心に開催した。
登録者数約17万人、4日間の会期中に13の基調講演をはじめ2700以上の講演が行われる、IT企業のプライベートイベントとしては世界最大級の規模を誇る。
会期初日の6日に行われた基調講演で、マーク・ベニオフCEOは「知能化したモノ同士がつながる“第四次産業革命”は急速に拡大している。エレベーターが話しかけたり、スーツがネットワークにつながったりすることがテクノロジーの力で現実のものとなった。しかし最も重要なのは、テクノロジーによって、企業がモノの背後にいる顧客とつながることで生み出されるイノベーションだ。変革のための基盤は我々が用意している。ドリームフォース参加者の力によって、新しい社会を作り上げることができると信じている」と語った。
この言葉に、今回のドリームフォースのテーマが集約されている。テクノロジーそのものの進化より、それをどう生かしてビジネスを成長させるかが問われる時代になったということだ。その後に紹介された事例でも、クラウドが業務の一部分で効果を発揮する段階から、事業全体を遂行する欠かせない基盤へと進化していることを実感させるものだった。