NTTデータは昨年、米国のデータベースソフトウェア企業マークロジックと資本業務提携を結び、次世代データベースの開発などを進めることを発表した。マークロジックは、米国シリコンバレーで2001年に創業。分断されたデータを統合するデータベース技術を開発している。
NTTデータが東京で開催したITイベント「Innovation Conference 2018」で、マークロジックのエグゼクティブ・バイス・プレジデントで製品担当副社長のジョー・パスクア氏が講演した。
360度のデータ活用に
必要なデータの統合
パスクア氏はまず、企業はデータの活用が必要だということに気が付いていても、どうしていいか考えあぐねている、述べた。そのうえで、「360度のデータ活用」をするためのデータ統合の技術への指針について語り始めた。
たとえば企業が管理している「顧客」のデータをみても、様々な部署で別々に管理しているのが実態だ。営業が管理しているCRMのデータが、商談が成立して受注しシステム上の顧客になり、その顧客がカスタマーセンターにクレームを入れてくれば、顧客係のデータとして記録される。あるいは、顧客はSNSで、この企業にタグ付けしたコメントを何かつぶやいているかもしれない。
こうしたデータを全方位に記録していくことで、顧客体験を向上できる。これが360度のデータ戦略となるわけだ。だが、実際はできている企業は少ないという。
パスクア氏は、360度分析のためのデータ統合には、3つの問題があるという。
1つ目は、データが部署ごとのシステムによって異なるスキーマでデータベースに保存されている点だ。スキーマとは、データベースを作成する際のルール決めのことで、データはこのルールに則って保存され、活用される。従来型のデータベースには必要不可欠なルール決めだ。