北海道は47都道府県の中で最大の面積を誇り、当たり前だが、旨い料理の宝庫である。

 しかし、北海道料理と聞くと、つい新鮮な魚介の刺身を食べたくなるのが人の性というものだろう。しかし、この連載は、あくまでも郷土料理のコーナーということなので、今回はあえて、刺身以外の北海道ならではの「料理」をたくさん食べたいと思ったのだった。

 そんな北海道料理を、新鮮な刺身だけでなく、様々なメニューで、いろいろ食べさせてくれる店が、大井町にあるというので、今回、初めて訪問してみた。この地で北海道料理を供して38年になるという『藤半』である。広めの店内にはカウンターと座敷があって、隣では結構な人数の宴会が開かれていた。

 ふと、目をやると、宴席では巨大な鍋にぎっしりと鮭などの具材が入っているのが、飛び込んできた。間違いなく『石狩鍋』だ。『石狩鍋』はその名も石狩地方発祥とされる、北海道を代表する郷土の鍋である。

「うわー、うまそうだけど、あの石狩鍋を食べたら、いろいろつまみたいのが、一品で終わっちゃうからなぁ!」

となると定番のツマミは……。

「とりあえず、ザンギにビールね!」

 北海道といえば、ひとまずこうだろう。

しっかり下味の付いた『ザンギ』とビール
まずは定番からスタート!!

『ザンギ』は北海道の、いわゆる普通の唐揚げである。しかし、それが旨い。

『ザンギ』とは平たく言うと、唐揚げのことである。なぜ、ザンギと呼ぶかは諸説あるようだが、北海道で、唐揚げをザンギと呼ぶ言い方が定着していることは間違いない。鶏の唐揚げが主流だが、タコ(その場合タコザンギという場合もある)や、ラムや鹿などを使うこともある。