本誌はJA柏崎に対して、一連の事実関係の有無や、贈答品関連の契約先をアイビック商事に切り替えた理由、今井会長と利害関係を有する会社の商品を職員が販売することは「JAの私物化ではないのか」などと文書で質問した。

 JA柏崎は「当該企業は全農新潟の指定取引先であり、その企業努力による差別化、優位性を評価し、取引先として決定したものです。経営管理委員会制度の下、事業推進はコンプライアンスを順守し理事会が業務を執行しており、当JA役員の利益相反など一切の指摘に当たりません」と回答した。

 違法性がなかったとしても、JA柏崎はトップによる我田引水と見られるような取引は慎むべきではないか。まして今井氏はJA新潟中央会やJA全農にいがたの会長を務めるリーダーなのだ。

 柏崎市の農家は今井氏について、「若いころは専業農家のグループに所属していた。JA柏崎会長になった当初は信頼を置けたが、15年に中央会会長になったころから上部組織の顔色をうかがうようになり、農業関連事業も全農に頼るようになった」と話す。

 JA柏崎が贈答品をアイビック商事に切り替えた16年秋、東京・永田町ではJA全農改革の議論がピークを迎えていた。全農幹部は農家支援を強化する決意を語っていたが、その緊張感が新潟県の農協トップに伝わることはなかった。

 改革の本気度が疑わしいのはJAだけではない。残念ながら、農政全般において18年は改革が停滞しそうだ。

 なにせ斎藤健農相が「(卸売市場法を改正すれば)安倍政権の農業改革は収束する。制度は一通り完成し、力点は林業と水産業に移る」と、終結宣言しているのだ。

 斎藤農相は、今後は制度を使って農業改革を実現するフェーズだと言いたかったのかもしれない。だが、ねじを巻き直すべきは、政策目標の進捗が遅れている農水省の方だろう。