しかし、ここで生鮮食品市場までアマゾンに持っていかれると、日本のネット通販企業にとっては致命的だ。まるでオセロゲームの駒のように、すべてアマゾンにひっくりかえされる可能性は十分にある。

「今のうちから手を打っておかないと取り返しがつかなくなる」とネット通販各社も判断したのだろう。ネット通販と小売り大手の連携について細かい説明は省略するが、こうした構図である。

 逆にネット通販企業と組む小売業大手のメリットは何?という疑問があるだろうが、それはネットにおける販路拡大と物流の効率化である。

 自社のサイトだけでは集客力に欠けるが、セブン&アイがアスクルの通販サイト「ロハコ」に出店することで、集客力は圧倒的に高まる。とくに、ロハコはヤフーのサイトにあり“集客力”は抜群だ。

 ネットスーパーで現在順調にいっているのは、セブン&アイが展開している、同社傘下のイトーヨーカドーネットスーパー「アイワイネット」くらいといわれている。売上高はまだ500億円に届かないが、それでも「黒字化している」(セブン&アイ)という。

ネットもリアルも
生鮮食品を制する者が流通を制する

 ネットスーパーでの課題は何といっても物流の効率化である。いかに配達の密度を上げて宅配件数を高められるかが、一つのカギを握っているとってもいい。

 アスクルがBtoB、さらに最近の「ロハコ」で蓄積したBtoCの物流ノウハウ、物流ネットワークは、セブン&アイ側のネットスーパー事業にもプラスになる格好だ。

 いわばアマゾンの生鮮食品の本格展開で、アスクルや楽天など有力ネット通販企業がこれまで手を出さなかった生鮮食品市場に一斉参入、市場争奪戦はリアルの店舗も巻き込み激化するのは目に見えている。

 ネットもリアルも生鮮食品を制する者が“流通”を制するのである。それは今も昔も変わらない。