講談社のマンガ6誌読み放題アプリを生んだ出版界の危機感ヤンマガやモーニングなどが読み放題。「コミックDAYS」担当者に、開発に至るまでのストーリーやサービスの狙いを聞いた (C)講談社
本記事はハフポスト日本版からの転載記事です

 出版大手の講談社が3月1日、「週刊ヤングマガジン」や「モーニング」など6誌の漫画雑誌を読み放題で楽しめる定額制アプリ「コミックDAYS」をリリースした。

 これまで講談社が運営する電子コミックサービスは、「1つの編集部につき1サービス」が基本だった。「コミックDAYS」はその制限を超え、6編集部が横断して作品を提供する。値段は月額720円。海賊版サイトの横行などが深刻化する中、試金石となるサービスとも言える。

「コミックDAYS」の企画を中心になって進めたのが、「週刊ヤングマガジン」編集部で副編集長を務める村松充裕(むらまつ みつひろ)さんだ。電子市場が拡大する中、「出版社がやれることをやれていなかった」と話す村松さんに、アプリの企画・開発に至るまでの背景や狙いを聞いた。

デジタル営業部での研修で「風穴が空いた」

——​​​「コミックDAYS」の企画を立ち上げた経緯を教えてください。

 話をさかのぼると、長いんですが...。出版業界は、出版社が本を作り、取次が流通させ、書店が売るという構造でずっとやってきました。そして、編集も営業もその構造を前提に動いていた。

 それが、マンガアプリが注目され電子市場が拡大を始めた2013年以降、その前提からすると明らかにおかしい「不思議な売れ方」をしている事例が散見されるようになりました。書店で作品をプッシュしてもらったり、大々的なプロモーションを打ったりしていないのにヒットする作品が出てきたんです。