特積トラックの幹線運行は、集荷業務に手間取るとターミナルを出発する時間が遅くなる場合も少なくない。だが、JTLの設立目的には定時出発・定時到着・定時配達のモデル化を図る目的もあったため、早い時間帯に出発できるように設定された。「定時出発を遵守することでダイヤグラム化が可能になる。それによりドライバーが休憩時間を確保できるなど労働環境の改善にも役立っている」という。
事業所が近くにあることが成功のカギ
このJTLの設立には、公共トラックターミナルの存在が大きく関わっている。「もともと日本自動車ターミナルの施設内で“お隣さん”の関係だったことが大きい。共同運行が効果を上げるには、各社の拠点が近くにあり、同じターミナル内で積み降ろし作業が完結することが重要」と指摘する。
JTLの運行形態は、トラック1台につき2社積みが基本。例えば、日本自動車ターミナルの葛西トラックターミナルと足立トラックターミナルからは、トナミ運輸と久留米運送の荷物を積んだ便が運行。また、第一貨物の東京支店(江東区)で荷物を積み込んだ後、日本自動車ターミナルの京浜トラックターミナル内にあるトナミ運輸の拠点でさらに積み込み、大阪に向けて出発する便もある。「各社の拠点が離れていれば、空車で走る距離が長くなり、集荷にも時間がかかってしまう。積む場所が近く、降ろす場所も近いことが共同運行を長く続けられる理由だ」と分析する。
鉄道モーダルシフトでも共同化を実現
このJTLが東京~大阪間の幹線共同化に続いて取り組んだのが、2015年から始まった東京~九州間での鉄道モーダルシフトだ。東京~九州間は輸送距離が長いため、ドライバーの労務管理上からも可能な限りモーダルシフトを進めていく必要があった。