使用するのは31フィートコンテナ。汎用サイズである12フィートではなく、10トントラックと同じ積載容量があるため、トラックからのシフトが容易だという利点がある。
東京発では31フィートコンテナ2本を毎日発送している。日本自動車ターミナルの板橋トラックターミナルと京浜トラックターミナルの2カ所で3社の荷物を同一コンテナ内に積載してJR貨物の東京貨物ターミナル駅までトラックで運び、そこから九州向けに鉄道輸送している。
このモーダルシフトが画期的なのは、3社連携による取り組みであることに加え、輸送リードタイムがトラック輸送よりも短縮したことだ。トラックだと3日目午後になっていた配達時間が、シフト後は3日目午前に前倒しされ、サービスレベルが向上した。
JTL及び3社はこの取り組みが高く評価され、2016年度のモーダルシフト大賞(主催・日本物流団体連合会)を受賞した。
さらなるシェアリングが必要
JTLでは毎月1回、3社の担当者と「JTL運行部会」を開催して、課題などを協議している。会議では、運行に関する細かいルールづくりなどに加え、新たな連携・協働に向けた検討も進められている。
JTLが直接関与しない場合も含め、3社の連携・協働は広がりを見せている。第一貨物と久留米運送は現在、京都と埼玉の事業所を共同利用している。その際、集配エリアを分割し相互に委託し合うことで効率化を図っている。また、両社は九州~山形間の輸送で、中間地点である大阪で双方のドライバーと車両を入れ替える「中継輸送(シェークハンド輸送)」を実施。これにより、両社のドライバーは大阪で折り返しでき、労務負担の軽減に大きな効果をあげている。
JTLの今後について須藤氏は「若い人はトラックドライバーになりたがらず、高齢化が進んでいる。さらに連携や協働化を進めていく必要がある」と話す。労務管理の厳格化により、特に長距離輸送ではさらなるシェアリングが求められる。「輸送距離500キロメートルが限界で、それ以上は共同運行が可能なルートなどを関係者で検討していきたい」。
同じ悩みを抱えているトラック事業者が集まっている公共トラックターミナル。そこを舞台に、今後も新たな連携・協働の動きが活発になっていくだろう。