同機構のHPには以下の通り、着々と、研究成果を報告するプレスリリースがアップされている。今後もすごい勢いで増えていくだろう。

 ・2018.02.08 震災による家屋被害が生活習慣・検査データに影響を与えている可能性 ‐東北メディカル・メガバンク計画地域住民コホート調査の解析から
 ・2018.02.01 東北メディカル・メガバンク計画の三世代コホート調査‐世界初の三世代の家系情報付き出生コホート調査が7.3万人のリクルート完了。初期的な解析結果‐
 ・2017.12.28 日本人一般住民が持つ疾患の原因遺伝子の変異の頻度がわかる?
 ・2017.12.28 緑内障の個別化医療への第一歩 – 緑内障の遺伝要因と臨床的特徴の関連を同定 –
 ・2017.10.18 国立長寿医療研究センターとToMMoが共同研究契約を締結~超高齢社会における健康寿命の延伸に向けた研究を、バイオバンク間連携で~
 ・2017.10.03 日本人多層オミックス参照パネル、更に高精度に-メタボロームの解析人数がこれまでの5倍の5,093人に。年齢別の代謝物濃度分布・ネットワーク解析結果を追加-
 ・2017.09.12 肥満に影響する遺伝マーカーを解明 ~日本人17万人の解析により肥満に関わる病気や細胞を同定~

日本では同機構だけ
個別化医療・予防の取り組み

 いいことだらけに見えるメガバンク事業だが、「莫大な復興資金を費やすなら、まずは病院再建等にお金をかけるべきではないか」「判断能力のない子どもの遺伝子を検査するのは人権上問題がある」「ゲノムと病歴という重大な個人情報を取り扱うためのセキュリティは万全なのか」など、法整備や倫理、セキュリティについての問題を指摘し、不安視する声もある。

 そこは注意深く、真摯に取り組まなくてはならない。

 ただ、リスクはあるとしても、補って余りある可能性が同機構の事業にはある。プロジェクトの未来に見えている個別化医療も個別化予防も新しい医療であり、日本で本格的に取り組んでいるのは同機構だけ。創造的復興策として、世界に誇れるプロジェクトだ。

(医療ジャーナリスト 木原洋美)