先週、スポーツファンの注目を一身に集めたのが女子プロテニスの大坂なおみ(20)だ。
4大大会の次に位置づけられるプレミア・マンダトリーのひとつ、BNPパリバ・オープンに出場した大坂はノーシードから勝ち上がり優勝した。このグレードの大会を日本の女子選手が制したのは史上初。しかも1回戦で元女王のマリア・シャラポワ(ロシア)、準々決勝で世界ランク5位のカロリナ・プリスコバ(チェコ)、準決勝で同1位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)というビッグネームを圧倒したうえでの優勝は価値がある。
大坂の快進撃はこれにとどまらなかった。間を置かずに行われた、やはりプレミア・マンダトリー大会のマイアミ・オープン1回戦では4大大会通算23勝のセリーナ・ウィリアムズ(アメリカ)にストレート勝ちし、世界を驚かせた。続く2回戦では世界ランク4位のエリナ・スビトリナ(ウクライナ)に敗れたものの世界のトップと互角に戦える実力を示したのだ。
ともあれ、これまでツアー優勝が1度もない大坂が、いきなり4大大会に次ぐカテゴリーの大会で優勝してしまったのは驚くしかない。この快挙はもちろん大坂に実力があったからこそ成し遂げられたものだが、類まれな潜在能力を開花させたのは、昨年末についた新コーチだといわれている。ドイツ人のサーシャ・バイン氏(33)だ。