北朝鮮は米朝首脳会談においても
非核化に前向きな対応は示さない
4月6日付けの日本経済新聞は、「金正恩朝鮮労働党委員長が、中国の習近平国家主席との会談で6ヵ国協議の再開を提案した」と報じた。北朝鮮の非核化問題を「対話」で解決したいと願う人々は、これを北朝鮮が対話の意思を明確にした“証左”と見るだろう。
しかし私は、北朝鮮が「米国のペースでは非核化の話をしない」との意思表示だと捉え、万が一、米朝協議が決裂した時に備えて中国の後ろ盾を得るべく、中国主導の対話の枠組みの再開を依頼したものだと考えている。
結論から言えば、北朝鮮は米朝首脳会談において、「朝鮮半島の非核化」や「段階的非核化」など、米国がとても受け入れられない提案をしてくるものと見られる。それを事前に中国側に伝え、中国の了解を取ったのではないだろうか。
そして、協議が決裂した場合に、米国が北朝鮮を攻撃しないよう牽制してほしい、また、6ヵ国協議を主催して北朝鮮が主張するラインで交渉をまとめ、北朝鮮への経済協力の道筋をつけてほしいという思惑もあるのだろう。