約1万4000の店舗網を全国に張り巡らせ、2018年2月期はチェーン全店売上高2兆3100億円(対前期比7.0%増)を見込むコンビニエンスストア(CVS)大手のローソン。“コンビニ飽和論”がささやかれる中、21年度に1万8000店舗、平均日販60万円を中期目標に掲げる。ローソンはどのような成長戦略を描いているのか。竹増貞信社長に聞いた。(ダイヤモンド・チェーンストア編集部 阿部幸治、髙浦佑介)

17年は商品強化で客単価アップ

──2017年度を振り返るとどのような年でしたか(注:インタビューは期中の2月下旬に実施)。

“コンビニ飽和論”の中、ローソンが「夕方以降」を攻める理由竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年8月12日生まれ。大阪府出身。大阪大学経済学部卒業後、93年4月三菱商事入社。2010年6月総務部兼経営企画部社長業務秘書。14年5月ローソン代表取締役副社長兼法人営業本部長。16年6月代表取締役社長COO。17年3月代表取締役社長兼マーケティング本部長。17年5月代表取締役社長兼CHO(現任)

 17年は株高のうえ、極度の円高というわけでもありませんでした。ほかの業界を見てもいい決算の企業が多く、景況感は悪くないと感じております。しかし、食品小売業の業績はあまり景気に左右されません。景気がよくなったところで1人が1日当たりに摂取できる量は変わらないからです。好景気に浮かれず、地に足をつけて取り組んでいこうというのが17年度でした。

──17年度通期で、チェーン全店売上高2兆3100億円(対前期比7.0%増)、店舗数1万4011店舗(同900店舗増)を計画されています。

 計画はおおむね順調に進んでいます。CVSだけでなく、食品を販売するドラッグストアやECなど、業態を超えた競争が激化していることもあり、客数が減少しました。しかし、それ以上に客単価が伸びたため、既存店売上高も対前期比プラスとなる見込みです。