ローソンが開始する
ネット通販による生鮮食品の店舗受け取り
今年3月にも、コンビニ大手のローソンが、ネット通販で注文した生鮮食品を店舗で受け取るサービスを開始するという。こうしたサービスは、既に世界的な潮流の一つになっており、現在、小売業界は大変革期を迎えているといっても過言ではない。
有力ネット企業であるアマゾンやアリババ・ドットコムなどは、生鮮食品の取り扱いを強化し、新しいビジネスモデルの実用化に向けてかなりのエネルギーを注力している。先進企業の動きは早く、変革のスピードは日に日に加速している。
従来、品質管理などを理由に、インターネットを経由した生鮮食品の販売は難しいとの見方があった。しかし、首都圏でのアマゾン・フレッシュの導入のように、インターネットを活用して物流のあり方を変える取り組みが進んでいる。
インターネットでモノの売買契約を成立させ、消費者が望む場所で、希望する時間帯に品物を受け取るサービスが提供できると、EC業界、物流業界、コンビニをはじめとする小売業界の境界はほとんどなくなってしまう。
インターネットが店舗の役割を担い、店舗には支払い、物流の起点などの機能も備わるようになる。ユーザーの好みに応じて宅配を行う、あるいは、店舗での受け取りが可能になれば、文字通り、いつでもどこでも、生鮮食品を手に入れることができる。そうした消費の発想が受け入れられれば、企業は付加価値を創造し、経済は成長できるだろう。
インターネットを通した消費の拡大は、店舗での販売をベースに事業を展開してきた小売業界にとって脅威と映るだろう。それが、競争を促進し、さらなるサービスの向上と付加価値の創造を支える。その結果、新しい行動様式が社会に受け入れられる可能性がある。その意味でも、ローソンの取り組みが定着するか否かは重要だ。