一方で、新卒採用をしぼることで、短期的に現場の労働力不足が深刻化すれば、現役行員が長時間の残業を強いられるといった事態も懸念される。フィンテックなどにより、銀行員が余るようになるのは将来の話で、短期的には銀行ビジネスの仕事量は減らないからだ。

 もっとも、報道によれば、幸いなことに機械化や合理化対応することで人員減が実現できそうだ。それなら、現役行員は過重労働もしいられず、リストラもされないということになろう。

他産業も優秀な学生を獲得でき
日本経済にとって素晴らしいこと

 不況期、特に就職氷河期には、採用を減らすというのは悪いニュースだった。しかし、採用難の今、就活市場の“ガリバー”が採用を減らすのは、他産業の企業にとっても、日本経済にとっても大きな“グッドニュース”だろう。

 人数だけではない。質の面でも銀行は優秀な学生を大量に採用してきたので、それが減ることは、他企業にとって喜ばしいだろう。

 ちなみに、「銀行は難関大学の学生ばかり採用したがるが、難関大学の学生が就職したからといって優秀なサラリーマンになるとは限らない」といった批判を耳にする。

 だが、本稿における「優秀な学生」の定義は、「各社の採用担当者が採用したいと考える学生」という意味であり、そうした学生を銀行が獲得することで、「内定を出した学生が、銀行に行ってしまって残念だ」と嘆いている非銀行企業の人事担当者が多い、という意味だ。そうしたことがなくなるということは、いいことだろう。