日本原燃は10月、受けていた審査の中断を自ら申し出て、社内改革を実施。規制基準の変更などの理由も含まれるが、実に23回目となる竣工延期を発表していた。

“核のごみ”は今後増える

 日本原燃の工藤健二社長は、社員の意識改革が進んだことを、審査再開申請の理由として強調するが、そんな“自己評価”をうのみにすることはできない。すでに規制委からも「トラブルのたびにマネジメントシステムの見直しをしたというが、今回の見直しはこれまでとどう違うのか」と厳しい突っ込みを受けている。

 だが、それでも規制委や電力業界は日本原燃の審査再開を進めざるを得ない。というのも、関西電力の高浜原発や大飯原発、九州電力の川内原発などの再稼働が進み、今後は続々と使用済み核燃料が発生するからだ。原発内に使用済み核燃料プールがあるが、容量には限度がある。とりわけ関電はプールが満杯に近づいており、切羽詰まった状況になりつつあるのだ。

 東京理科大学大学院の橘川武郎教授は「日本原燃は再処理技術の確立については一定の成果を出しているが、安全性の確立という最優先事項がおろそかになっている」と指摘する。

 審査再開を決めた会合には、日本原燃会長で電気事業連合会会長の勝野哲氏(中部電力社長)が出席。オール電力体制で臨む姿勢をアピールした。電力会社にとってというよりも、国民にとって薄氷を踏む「24回目の儀式」が始まっている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 片田江康男)