その情報を見張っているのは人間だけではありません。いまやモデル化されたプログラムが、24時間休むことなく全世界のマーケットをウォッチしており、ナノ秒単位の速度で売り買いの判断を下しています。
こんな世界で「勝ち続けろ」と言うほうが無理があると思いませんか?
世界一の投資家も認めた「インデックス投信」
どれだけマネーの世界に疎い人でも、ウォーレン・バフェット氏の名前を聞いたことはあるのではないでしょうか? 世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイ社のCEOで、世界一有名な投資家と言ってもいい人物です。
彼は10年前の2007年、とある「賭け」をすると公言しました。
「2008年1月1日から2017年12月31日までの10年間、手数料を差し引いた純利回りベースで成績を測った場合、ヘッジファンドを組み合わせたポートフォリオが、S&P500に勝る成績を出すことはない*」
ヘッジファンドというのは、アクティブ投資のなかでもきわめてアクティブな投資をするファンド、いわば「がんばる投資」の王様です。彼らは、株式だけでなく、一定の利回りが見込めるものであれば、土地、不動産、外貨、金融派生商品(デリバティブ)など、なんでも取り込んで運用を行います。
また、他人からお金を借りて投資するスタイル(レバレッジ)も取るため、ハイリスクではあるものの、「当たればデカい」という可能性を秘めています。かたや、S&P500というのは、アメリカのインデックスの1つです。バフェット氏がこの賭けで実際に選んだのは、前出の「ボーグルの愚行」と嘲笑されたVanguard 500 Index Fundでした。
バフェット氏の賭けに乗ったのは、プロテジェ・パートナーズ社のテッド・セイデス氏でした。彼は数あるヘッジファンドのなかから「これは!」と思う5つを選び、勝負に出たのです。
さて、「インデックス追随のパッシブ投信」対「アクティブ運用の王者たち」による対決の結末やいかに……?