なるほど、そのとおりですね。それならいいのですが、現実にアクティブ投信とパッシブ投信を比較すると、“がんばる”タイプのアクティブ投信は、実際の運用成績から手数料を差し引いた「純利回り」の点でも劣っていることがわかっています。
ファイナンス関連の学術論文でも、研究機関のリサーチでも、これまで数多くの比較研究がなされており、「アクティブ投資で恒常的に勝ち続けるのは不可能だ」というのが一貫した研究結果です。
「優秀なファンドマネジャーなら、勝ち続けられるんじゃないの?」
いや、そうもいかないようです。たとえば、バンガード社のリサーチによれば、過去5年で上位20%の成績を上げたファンドマネジャーのうち、次の5年間もトップ20%にとどまったのは15.6%のみでした。逆に、46.6%は、次の5年で下位20%に落ち込むか、投信そのものが消滅してしまっています*。
もちろん、あるファンドマネジャーが大勝ちをして、すばらしい運用実績を出すことはつねにあります。
ただ、そのファンドマネジャーが将来もずっと勝ち続けることはほとんど不可能です。つまり、大勝は“たまたま”の要素が大きいのです。
考えてもみてください。企業アナリスト、インダストリアナリスト、マーケットアナリスト、為替アナリスト、経済アナリストなど、ありとあらゆる専門家が世界中でマーケットの分析をしています。しかも、その情報はネットワークを通じて、一瞬のうちに全世界に行きわたります。