朝鮮半島の将来をめぐるトップ外交が、中朝に続き先週の日米会談、今週の南北首脳会談を経て米朝首脳会談で山場を迎える。なぜ今、トップ外交が急展開したのか。米朝会談で何が決められるのか――。朝鮮半島問題の専門家で日韓歴史共同研究 委員会委員も務めた小此木政夫・慶応大名誉教授は「北の金正恩労働党委員長は本気、南北が“共同提案”する『非核化』にトランプ大統領も応じるだろう」と歴史的転換を予想する。(聞き手・ダイヤモンド・オンライン特任編集委員 西井泰之)
「先南後米」政策に転換した北朝鮮
もう後戻りはできない
――北朝鮮の平昌五輪参加を機に朝鮮半島をめぐる動きが急展開です。何が起きているのでしょうか。
一連のトップ外交は、北朝鮮が「先南後米」と呼ばれる外交政策に転換したことが引き金になりました。
北はこれまで、朝鮮半島の安定や核問題で自分たちが相手にするのは米国だということでやってきたわけですが、まず先に南(韓国)との関係を緊密にして、米朝対話の環境を整える政策に転換したのです。