「主張する日本外交」が陥る“ジャパンパッシング”という罠

「ジャパンパッシング」が起こりつつあると報じられている。

 北朝鮮問題では、日本は「圧力、圧力」と喧伝してきたが、中朝首脳会談、南北首脳会談、米朝首脳会談と、世界はあっという間に「対話モード」に展開し、日本の姿は見えなくなった。

 中国は米韓には事前に金正恩委員長の北京訪問を伝え、事後にもブリーフを行っているが、日本には中国からの連絡はなかったようだ。

 米国が「国家安全保障の見地」から打ち出した鉄鋼・アルミの高率関税実施でも、同盟国の多くは時を経ず対象から外れる結果となったが、日本は対象とされたままだ。

 その一方で、ロシアとの関係では、英国での元スパイ暗殺未遂事件への関与で欧米諸国が情報関係の外交官の追放措置をとっているのに、日本は措置をとっていない。

 「価値外交」や「法の支配」を主張してきた日本が、欧米に同調することもなく、ひたすら日露関係改善のため、頻繁に首脳・外相会談に走っているように見える。日本外交はダブルスタンダードと見られてもやむを得まい。