ドン・キホーテの新業態でH&BC商品を取り扱いのメーンとする「エッセンス」が、実験店の川口駅前店(埼玉県川口市)から大幅にMDを修正して東京・池袋東口に登場した。売場面積は441平方メートルで川口駅前店(610平方メートル)の3分の2強。もとはドン・キホーテのピカソなどが展開していた場所で、川口駅前でも競合しているマツモトキヨシやサンドラッグも、100mほどの位置にある。ただエッセンスは、それらDgSが並ぶメーンの通りから外れ、周辺の人の流れや買い回る行動パターンも明らかに川口と異なっている。既存店を改装するかたちでオープンしたエッセンス池袋東口店は、価格での対抗意識丸出しで挑んだ川口とは、軌道修正して臨む実験2号店だ。

 川口駅前店との最も大きな違いは、なりをひそめたドン・キホーテの爆安演出。2月24日のオープンでも、大声でのお客の呼び込みは本部からNGの指示が出ており、その影響もあってか、通行人から「もうオープンしてるんですか?」とスタッフに声がかかるほど。店内での特売案内放送もなく、ドン・キホーテスタッフにも、これまであまり経験のない静かなオープンになったようだ。

 MDでの修正は、弁当や飲料といった在庫回転率が高く、商品管理負担が大きい商品や、衣料用洗剤など家庭用消耗雑貨の取り扱い縮小。一方で、川口でも好評だった2階でのビューティケア展開は池袋で進化させ、6000sku(川口)から1万skuへと大幅に品揃えを拡充した。また、エッセンス池袋東口ではビューティアドバイザー「美探研究員」が登場。専門研修を受けた20代から40代の女性9人からなり、同店がターゲットとする10代後半から20代女性が、気軽に相談できる雰囲気と態勢を整えたという。

 川口駅前店の進捗は、当初、月商見込み1億円に対し8000万円とのこと。価格対抗も影響し、店段階の粗利益率は21%程度。一方、池袋東口店は月商見込み7000万円。リピート促進で粗利益率30%台確保をもくろむ。

 彼らがめざす業態の在り方と実際の立地、客層、MDにはまだバラつきがある印象だ。東京西部での出店となる次なるチャレンジにも期待したい。


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