ココカラファイン(神奈川県横浜市、塚本厚志社長)の販売会社であるセイジョー(神奈川県横浜市、橋爪薫社長)とサークルKサンクス(東京都中央区、中村元彦社長)との提携による、ドラッグ&コンビニの融合への取り組みが、また一つ、かたちとなって生活者の前に登場した。東京・杉並のJR阿佐ケ谷駅北口の商店街に位置するセイジョー阿佐ケ谷北店をリニューアルし、店内売場の一部にサンクスの小型業態「サンクス MINI-STYLE」がオープンした。
今回の店舗は、共同出店1号店となった多摩センター店の、隣接するスタイルとは異なり、セイジョーの店内奥にサンクスが入口を別に設け、店内の別店舗として展開する。以前、阿佐ケ谷北店では調剤設備を併設し、処方箋を受け付けていたが、今回閉鎖後、活用されていなかった場所をサンクスの売場として復活させた。調剤併設DgSから、CVS併設DgSとして生まれ変わったのだ。
運営はいずれもセイジョーで、サークルKサンクスのフランチャイズ店舗となった。売場面積は、セイジョーが63.54坪、サンクスが18.22坪で旧調剤コーナーがそのままサンクスになった格好で、リニューアルによるセイジョー側の売場面積は変更はない。
今回の実験ポイントは、①セイジョーで取り扱っていたペット飲料や菓子をサンクス側に集中させ、それまで100円以下で販売していたものをサンクス側で定価もしくはそれに近い金額で販売することでの購買行動変化。②サンクスMINI-STYLEでは、店内併設型でのシナジー効果を図り、とくに強化した女性&シニア向けの品揃えへの反応を検証する、ということだ。
ドラッグ&コンビニの提携は注目されながらも、いま一つ成果を上げられないまま時間が経過している。なかには情報交換にとどまるものや、提携解消といったケースも出てきた。そのようななか、セイジョーとサークルKサンクスのケースは、地道なやり取りを続けながら、互いのスタンスを尊重し、ゆっくりだが一歩一歩着実に進んでいるようにも見える。本格的な融合においては、初期段階での商品マスター統一や、新たなシステム開発の必要性など、クリアしなければならないハードルも高く、世間の期待ほど簡単ではない。
互いにメリットを生み出しながら、生活者の利便性向上と自らの機能強化につながる最大公約数を導くには、まだしばらく時間がかかりそうだ。
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