写真右/スーツ 36万5000円、ネクタイ 1万8000円、ポケットチーフ 6000円、シャツ 参考商品(すべてヒッキー・フリーマン)
原点に立ち返ることで、見えてくるスタイルがある
原点回帰とは、 躓いたり挫折したときは原点に戻ってみると解決する、いや、かもしれないというポジティブな格言だ。この「リングジャケット」のスーツ(写真左)には原点がある。いや、かもしれない。
詰め込んだディテールは、あくまでスーツの基本型。原点に立ち返り、さらに熟考を重ねるなかで導き出した妙味がある。あえて巷にあふれるイタリア製ではなく、趣きのあるイギリスはフォックス・ブラザーズ社のブラウンの生地を用いることで、これ見よがしではない落ち着きのある一着に仕上げている。
やや広めに取られた襟幅、若干低めに設定されたウエスト位置。トラウザースの腰回りにはプリーツがひとつあり、柄はピンストライプ。基本的なスーツの要素をもつこのスーツは、日本が誇るクロージングブランドの雄、リングヂャケットの面目躍如。
同社には、半世紀以上も数々のブランドやセレクトショップのテイラード製作をおこなってきた経験がある。帰るべき原点があるのだ。
ジェントルマンとは丁寧なひと
丁寧はひとを裏切らない。他者から施しを受けたばあい、大方のひとは、お返しをしなければならないという感情を抱く。これを好意の返報性というが、この返報性の原理を持ち出すまでもなく、ビジネスの場においての言動、立ち居振る舞い、表情、態度は要諦である。もちろん着衣も、つまりスーツも。
この「ヒッキー・フリーマン」のスーツ(写真右)、なかでも、もっとも手間をかけてつくられるプレステージ仕立ては、まさに丁寧という言葉にふさわしい。生地は、スーパー170’Sの(超極細の糸で織った)ウールと厳選したシルクを使用し、なによりエレガントな雰囲気がある。
それを“やわらかい服”、“着やすい服”、“型崩れしない服”をモットーに掲げる自社工場で、日本人の身体にフィットするように、これまた丁寧に縫い上げていく。
完成したスーツは、エグゼクティブにふさわしい風格と気品がある。丁寧はビジネスパートナーへ信頼感を与える。
※価格はすべて税抜。