なぜそんな違いがあるかというと、一般的に、ある国の通貨が「高い」場合、その国の経済にみんな期待している、という状況が表れているのです。通貨の需要が多いとき、その通貨の価格は高くなりますが、それは「みんながその国で商売・取引したいと思っているから」なんです。

 日本人は普段円を使っているので、円換算で値段を提示したり、円で代金を支払ったりするほうが便利です。なので、日本で、もしくは日本人と商売をしたければ、日本人に合わせて円で決済(お金のやり取り)をできるように準備をしておきます。

 そして、なぜ日本で、もしくは日本人と商売をしたがるかというと、日本人と商売すれば儲かると感じているからです。

 一般的にいうと、現時点で経済規模が大きい国や今後成長していきそうな国に人気が集まります。だから結局、現在強いEU・アメリカ、今後経済が成長しそうな中国・インドなど国の通貨は、需要が多くなり、値段が上がっていくのです。

 これを反対に考えると、為替レートは国の経済の規模、もしくは期待を示しているといえます。今、もしくは近い将来に経済が強くなりそうな通貨に人気が集まるということは、人気が集まっている国の経済は強い、もしくは強くなりそうな状態にあるということ。つまり為替を見ると、その国の経済がどうなっていきそうかがわかる、為替は国の経済の強さを表していることになります。

お金が「安い」ってどういうこと?

 まず、アメリカでは「円」じゃなくて普通「ドル」を使いますね。だからアメリカで買い物をしたければ、円をドルの交換しなければいけません。つまり自分の持っている「円」で相手が持っている「ドル」を買うんです。

「ドルを買う」というと変な感じがするかもしれませんが、「交換」と理解してください。コンビニで売っているコーラがほしいとき、120円持っていってコーラと「交換」します。それと同じで、ドルがほしいときは、ドルを「買う」(円と交換する)のです。

 ただし、いつも同じようにドルを買えるわけではありません。たとえば昨日は1ドルを100円と交換できたとします。つまり1ドルを100円で買えたわけです。しかし明日は1ドル=200円になっているかもしれない。それは、次の項目で説明する「為替レート」が変わるからですが、結局のところ、同じ物(1ドル)を買うのに多くお金を払わなきゃいけなくなった(100円→200円)わけです。これは「ドルの価格が上がった」ということで、「ドル高」と表現します。そしてそのとき、「円は相対的に安くなった」と考えます。これが「円安」です。