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ポスト・ビッグデータ時代の経営

誰でもAIを使える時代
“宝”を見つけるために必要なことは?

KPMGコンサルティング
【第6回】 2018年6月7日
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AIのコモディティ化で
データサイエンティストの必要性はむしろ高まる

 話は少し変わりますが、昨今データサイエンティストという役割が非常に注目されています。彼らはデータを分析し、高度なアルゴリズムを使ってビジネスを変革する職務を担っています。現代における彼らの重要性は言わずもがなですが、経営者や管理職の中には「アルゴリズムがコモディティ化して、誰でも使えるような時代になれば必要なくなるのでは?」と考えている方もいるのではないかと思います。この意見について筆者は異論を唱えます。それどころかデータサイエンティストの重要性は逆に高まると考えています。

 先ほどアルゴリズムのコモディティ化によってデータの重要性が増す際には、「ビジネス、データサイエンスの双方の知識が必要とされ、それぞれの視点から重要性を判断する能力」を有した人材が必要だと論じました。この人材は、ビジネス知識を踏まえ、AIが必要なデータを先回りして見極め、これをユーザが使える形にする、といった判断が必要になります。そしてこういったタスクを担う人材は、データ解析のプロセスやその活かし方に熟知した専門家であるデータサイエンティストが最適です。

 またAI(機械学習)システムはアルゴリズム以外にもデータ収集、特徴量抽出、インフラ基盤などの周辺機能が必要とされます。

 周辺機能はそれ自体が複雑であり、大きなメンテナンスコストが発生する要因となります。これはAIのトップカンファレンスであるNIPSで2015年に発表された「Hidden Technical Debt in Machine Learning Systems」という論文でも論じられていることから、それ自体が大きな問題になることがわかります。

 このような場合においても、データサイエンティスト(この場合はAIエンジニアと呼ぶべきかもしれませんが)がアルゴリズムや現行データ特性を踏まえ戦略的にシステム構築していくことが、その対応策となることが考えられます。

 つまり、AIを用いた試行錯誤が活発になり、それを本番環境へ適用しようとすればするほど活躍する機会が増えるわけです。

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