【9割の人が知らない】資格で稼ぐ、たった1つの方法とは?
働きながら独学で3年、9つの資格に合格! 大量に覚えて絶対忘れないコツとは?
著者は棚田健大郎さん。1年間必死に勉強したのに宅建に落ちた経験をきっかけに、「勉強が苦手な人でも続けられる方法を作ろう」と決意。棚田さんの勉強法をまとめた『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、本記事をお届けします。
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資格で稼ぐ、たった1つの方法とは?
資格を取るだけでは稼げません。本日は“不動産資格”を例に、収入に直結させる方法を詳しく解説します。
不動産の資格で「稼げるのはどっち?」と聞かれたとき、いきなり結論を言うと、「どっちが儲かるか」ではなく「どっちの現場に行くか」で稼ぎ方が変わります。にもかかわらず、管理業務主任者と賃貸不動産経営管理士は名前が似ているせいで、同じ“管理系資格”だと思われがちです。
そのまま勘違いして取ると、「せっかく合格したのに現場で全然使わない」ということが普通に起こります。稼ぐために資格を選ぶなら、まずこの二つの違いを“不動産の超基本”として押さえておく必要があります。
資格の「稼ぎポイント」をつかむ①
管理業務主任者は、一言でいえば「分譲マンションの世界で稼ぐ資格」です。ここで注意したいのは、“マンション管理会社”という言葉のイメージの広さです。街のマンションっぽい建物すべてが対象ではなく、区分所有建物、いわゆる分譲マンションがメインです。101号室と102号室で所有者が違う、あのタイプですね。
分譲マンションでは、購入者で構成される管理組合が建物の維持管理を担いますが、多くは一般の素人集団です。タワーマンションのような大規模・高規模な建物を素人だけで回していくのは現実的に難しいため、そこで登場するのがマンション管理会社です。
総会・理事会の運営サポート、修繕計画、設備のメンテナンスなどを請け負い、その「管理会社側」に法律上必要とされる国家資格が管理業務主任者です。設置義務があるため会社からのニーズも強く、宅建に近い“必須級”になりやすいのが、稼ぎに直結するポイントです。つまり、分譲マンション管理を主戦場にする会社に入りたい、あるいはそのフィールドで評価されたいなら、管理業務主任者は大きな武器になります。逆に、その世界に行かないなら、ほとんど出番がないまま終わることもあります。
資格の「稼ぎポイント」をつかむ②
一方、賃貸不動産経営管理士は「賃貸の世界で稼ぐ資格」です。こちらの守備範囲は建物そのものの修繕計画ではなく、賃貸経営・賃貸管理の実務です。入居者募集、審査、契約、鍵の引き渡し、退去立会い、敷金精算など、いわゆる“賃貸管理の現場”が仕事の中心になります。賃貸住宅管理業法のもとで業務管理者として位置づけられており、とくに宅建業者との相性がいい資格です。
多くの不動産会社は、仲介だけでなく賃貸管理もセットで行っています。賃貸管理は1件あたりの利益は大きくなくても、管理戸数が積み上がるほど毎月安定した収入が入る“ストック型”の事業です。今風にいえば不動産版サブスクのようなもので、会社の経営を安定させる柱になります。そういう意味で、賃貸不動産経営管理士は「宅建+賃貸管理」という働き方と組み合わせたときに、稼ぎ方の幅を広げてくれる資格です。
では、会社から「どっちを取れ」と言われやすいのはどちらか。これはシンプルで、その会社がどの事業を主軸にしているかで決まります。
資格は「どこで働くか」が9割
街の不動産屋のように賃貸仲介・賃貸管理が中心なら、最優先は宅建で、その次に賃貸不動産経営管理士が噛み合います。分譲マンション管理会社なら、管理業務主任者は“取って当たり前”の資格になりやすく、手当や評価にも直結します。両方の事業をやっている会社もありますが、自分が配属されるのが賃貸寄りなのか、分譲マンション管理寄りなのかで必要度は変わってきます。
気になる資格手当については会社ごとの差が大きく、一概には言えませんが、傾向としては分譲マンション管理を本業にしている会社では管理業務主任者の評価が高く、手当も厚くなりやすいです。宅建と同程度の扱いになることもあります。賃貸不動産経営管理士は、そこまで“社内必須”として位置づけていない会社も多く、手当がついても数千円という例もあります。ただし賃貸の現場で稼ぐ人にとっては、手当そのものより「任される業務の幅」「管理物件を担当できるか」「転職市場でのアピール材料になるか」の方が、結果として年収に効いてくる場面が多いのも事実です。
結局、「稼げる資格はどっち?」という問いの答えは、「自分がどのフィールドで稼ぐつもりなのかによって変わる」ということです。分譲マンション管理会社でキャリアを積みたいなら管理業務主任者が強いし、賃貸仲介・管理の現場で宅建とセットで動きたいなら賃貸不動産経営管理士が伸びしろになります。
資格そのものに“稼げる・稼げない”があるのではなく、資格がハマる現場を自分で選べているかどうかが分かれ目です。
資格の大きなメリット
最後に、資格取得のメリットについても触れます。資格というと、「有資格者ができる業務」に注目するかもしれません。しかし、それよりも大きいのが、資格に合格したという「事実」です。これは皆さんが思っている以上に大きなメリットです。
また、「机の上で学んだ知識など、営業の世界では役に立たない」と思っていた私は、資格の試験勉強で学んだ知識が実務で活かせるのかどうか不安でした。しかし、そんな不安は杞憂に終わりました。
仕事にかかわる資格の勉強をすることで、「実務のフローがなぜそうなっているのか」「なぜその書類が存在するのか」「なぜ面倒な手続きが必要になっているのか」といった実務上の疑問点がどんどん線でつながっていきました。
そして、資格試験のいいところは、ゴールを設定できることです。
ただ漠然と本を読んでいるだけでは、知識はついてもスキルは身につきません。資格試験というゴールに向かって、日々学習を継続することは、仕事へのモチベーションアップにもつながります。そして、最終的に合格することで大きな自信となり、今後の仕事に対してすごく前向きになれますし、ひいては転職や独立開業といった選択肢もおのずと広がっていきます。
(本原稿は、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』を一部抜粋・加筆したものです)







