流暢な英語が話せなくても
おもてなしはできる

 しかし、訪日観光客を受け入れるには言葉も問題もある。英語が流暢に話せないと不利になるようなことはないのだろうか?

「旅行慣れした方はお分かりかと思いますが、度胸とボディーランゲージでけっこうなんとかなるものです。パネルに図示した項目を指で示す“指さしイングリッシュ”というものがありますが、それで一通りの用は済みますし、スマホアプリを活用している方もいらっしゃいます。インバウンド観光客の7割が東アジアからというご指摘もありますが、ツアーではなく個人旅行をされるほどに旅慣れた方は英語も話せる例が多いですから、現状では英語中心での対応で支障なく行えています」(上山氏)

 信州いいやま観光局の例や、百戦錬磨の取り組みから分かることは、「農泊」とはいっても、趣のある古民家さえあれば成立するような単純ではないということだ。

 地域ぐるみで観光客を迎え入れるためのインフラや人員、現地観光メニューなどを取り揃え、お客の心に響く“人”の魅力がそこに加わって初めて、成功を手にできる。なお、百戦錬磨では地域振興事業も手掛けており、地域に対し一気通貫なソリューション提供も行っている。これまでに約20例以上の取り組みを行ってきているそうだ。

「農泊」の取り組みの成果はすでに出ている。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、観光客を受け入れる団体のうち66.2%から、訪日外国人客が増加傾向にあるという回答が寄せられたという。

 地方創生と観光立国を同時に実現するためにも、農泊のさらなる進展に期待したい。

(待兼音二郎/5時から作家塾(R))