こうした数字を踏まえた上で住宅市場に目を転じると、これまでは生涯未婚率が低いからこそ、結婚し、出産し、持ち家比率も高い水準にあったことは想像に難くない。しかし、4人に1人が結婚しないと予想される時代に持ち家比率が現状の水準を維持するとは思えない。なぜなら、独身者が家を買う動機やきっかけが非常に希薄だからである。

このまま生涯未婚率が上昇すると
東京都で高齢借家世帯は10万も増加

 将来の人口予測に現在の借家率をかけると、将来の借家世帯数が予測できる。これは高齢者人口の増加分だけ絶対数が自然に増える傾向になる。東京都の65歳以上の民営の借家世帯は、2015年の32.8万から30年後には42.5万へと、約10万世帯増加する(シナリオ(1))。さらに、高齢者の借家比率が今のままというのは考えにくい。なぜなら未婚率が上がり、家を買わない人が増えそうだからだ。

 先ほどの生涯未婚率の上昇は、借家比率を上げることになるだろう。次のグラフのように、生涯未婚率が上がる分だけ持ち家率は下がるという予測は、65歳・85歳の実績から無理のない話に思える。そうなると、2015年時点で30歳の生涯未婚率が24.1%まで上がるのだから、全国の持ち家率は64%まで下がり、東京都の持ち家率は57%まで下がることになる。

◆図表3:65歳以上の民営借家世帯数の予測

65歳以上の民営借家世帯数の予測
(出典)国勢調査などからスタイルアクト作成 拡大画像表示

 このように未婚化が進む分だけ持ち家率が下がるとなると、30年後には65歳以上の借家世帯数は101万と3倍超に激増するだろう(シナリオ(2))。生涯未婚率の影響により、【シナリオ(1)】と比べた場合、実に58万世帯が借家世帯として大量発生することになるのだ。

◆図表4:65歳以上の民営借家世帯数の予測

65歳以上の民営借家世帯数の予測
(出典)社会保障人口問題研究所からスタイルアクト作成 拡大画像表示