大学在学中に僧侶免許を取り、卒業後は東京で就職。フルタイムの会社員として働きながら、お盆の檀家回りや年に数回ほど法事を手伝っていた。

 その後、高齢になった祖父に代わり、会社員を辞めて僧侶免許を取った父親がお寺の業務に当たった。2015年に祖父が死去し、現在は父親が住職を引き継いでいる。

男性の実家のお寺 男性の実家のお寺 写真:男性提供

 男性は、将来お寺を継ぐのに、僧侶としての活動する機会が少ないことに疑問を感じていたという。

「もともと、衣を着て僧侶として活動する機会が少ないというのがあまりよくない。勘と言うと変ですが、やっぱり続けてやっている方がお経もなめらかに出てきます。(お寺に関わるのは)お盆と十夜の時くらいで、少ないのはどうなのかとずっと思っていました」

 そのため、2010年ごろからある「僧侶派遣」サービスに登録していたが、依頼は年に1件あるかないか。そんな時に目に入ったのが、「お坊さん便」だった。

 男性は2017年2月に「お坊さん便」に登録し、平日は月曜から金曜までフルタイムで働く傍ら、週末を中心に僧侶として活動している。これまでに月5、6件のペースで依頼があったことについて、「正直、そんなに需要はないだろうと思っていたので、こんなに依頼があるとは想像もしていませんでした」と驚いている。

「宗教を商品化」批判も...

「お坊さん便」は2013年5月にスタート。一律料金(3万5000円)でお坊さんを依頼できるサービスで、2015年12月にネット通販サイト「Amazon」での販売も始めたことで大きな注目を集めた。登録する僧侶は1200人以上(2018年6月時点)にまで増え、利用者の数も増加している。