定年後は
「収入ダウンの崖」が3回ある!
当コラムで「定年後は“収入ダウンの崖”が3回ある」と何度か書いてきた。1回目は「60歳の定年以降働いたとき」。再雇用で働いても、給与収入は定年前に比べて、大幅ダウンする。2回目は65歳で年金生活に入ったときで、収入はさらにダウンする。3回目は配偶者の死亡後。ひとり分の年金になると、もう一段階収入がダウンする。
講師をつとめる企業の50代社員向けライフプランセミナーで、定年以降は何度か収入が下がることを実感してもらうためにイメージ図を作ってみたところ、ある月(定年時だったり、年金だけの生活に入るときだったり)を境に崖から落ちるように収入がダウンする図になり、自分でも驚いた。それからコラム執筆の際にも「収入ダウンの崖」に注意を喚起するようにしている。
「収入ダウンの崖」に直面するタイミングごとに、支出の見直しに取り組んでほしいのだが、多くの人ができていない。たとえば、社会人になったばかりの20代前半の若者なら、収入が少ない、減ったといった事態になると、支出を削って収入の範囲内で暮らす。赤字になったとき、不足分を取り崩す貯蓄を持っていないからだ。