著者累計700万部突破のベストセラー作家で、新刊『大富豪からの手紙』著者、本田健さんと、シリーズ127万部突破の『伝え方が9割』著者、佐々木圭一さんのお2人による「ベストセラー対談」。それぞれの著書に込めた思いと、互いの著作の感想を語り合っていただきました!
大学の講義内容をそのまま本にした『伝え方が9割』
本田:佐々木さんが『伝え方が9割』を書こうと思った、いきさつを教えていただけますか?
佐々木:じつは、僕が最初に書きたかった本のコンセプトは、『伝え方』ではなくて、『行動することの大切さ』だったんです。
「すぐに行動しよう。行動をすればいろいろ実現できるよ」というテーマにしたかったのですが、僕の師匠でもある杉村太郎さん(就活スクール・転職スクール「我究館」創業者)に、相談したら、しぶい顔をされました。
本田:どういう理由で?
佐々木:ひと言で言えば、「佐々木圭一が書く内容ではない」です(笑)。僕としては、「この内容なら、読者を幸せにできる!」と自信があったんです。
でも、杉村太郎さんに、「佐々木圭一がそれを書くべきなのか」「そのテーマについて語れるほどの体験を積んできたのか」「そのテーマを書くにふさわしい人物は、ほかにいるのではないか」と問われて。私が書く内容ではないなと。
杉村太郎さんには、とどめに「本を書くとは、自分が天にかざした剣を、地面に突き刺すようなものだ」と一喝されました。
書く内容が正しかったとしても、僕の「本業とは違う」から、読者に対しての説得力がない。説得力がなければ、人を動かすことはできない。そこでもう一度、ゼロから考え直したとき、自分のすぐ近くに、書くべきテーマがあることに気がつきました。
「自分はコピーライターなのだから、『人にどうやって伝えるか』をコンセプトにしよう」と。
僕は12年前から、上智大学の非常勤講師として、「伝え方」やコミュニケーションについて教えています。だったら、「大学で教えている内容をそのまま本にしてみよう」と思ったんです。『伝え方が9割』には、上智大学での講義内容が、「そのまんま」書かれてあります。