ラオックス社長 羅 怡文
撮影:住友一俊

──中国家電量販店最大手の蘇寧電器との提携で、ラオックスが得るものは何か。

 社会的信用の回復が最も大きい。当社は8期連続の営業赤字で、倒産瀬戸際の状態だった。取引先にもかなり心配をかけていた。中国の家電量販店ナンバーワンである蘇寧電器が後ろ楯となることで、社内外に経営に対する信頼をもたらすことができる。

 また、蘇寧電器の流通インフラを活用でき、中国のマーケットに進出できる。これは当社にとって大きな可能性を秘めている。

──蘇寧電器のメリットは何か。

 日本の量販店の売り場づくりを学べる点だろう。中国の家電量販店はメーカーごとに商品が陳列されているが、日本では製品カテゴリーごとだ。客の立場に立って選びやすく工夫されている。蘇寧電器は売り場面積が5000平方メートル以上の大型店が主体だが、日本の量販店と比べて商品点数が少なく坪当たりの売上高は低い。中国の消費者の志向があるから日本式を中国にそのまま持ち込むことはないが、一部でも取り入れることができれば効率を上げられるだろう。