家は快適なほうがいい。しかし、どんな家が快適なのかと聞かれると答えに窮する。そこで、「居住空間」「資産性」「近所付き合い」「長生きリスク」といった観点から「住む人が幸せに長生きする家」の特徴を紹介する。さらに、日本には住むだけで命を落とす「危険な家」が多く、そのせいで年間1万7000人が不慮の死を遂げている。「死なない家」の選び方についても紹介する。“住んでよし”“売ってよし”“老いて安心”の「最高の家選び」の6大ポイントを紹介する。(構成/ライター 奥地維也)
「長く住めない家」はリスクだ
ひとつの家に長く住み続けたいと考える人は多いと思います。その願いを叶えるために知っておきたいのが、「スケルトン・インフィル」という建築方式です。
スケルトンは、柱や梁など、その建物を支える「骨組み」に当たる部分のこと。インフィルは、内装や設備など、建物の「中身」に当たる部分のことです。これまでの住宅の多くでは、部屋を仕切る壁のなかに家を支えるための柱が打たれるなど、一部のインフィルがスケルトンの役割も担っていたため、間取り変更が困難でした。これに対し、両者をしっかり分離したのが、スケルトン・インフィルです。
人生は長く、ライフイベントはたくさんあります。家族が増えたり、子どもが独立して家を出たり、逆に戻ってきたり……。スケルトン・インフィルの家であれば、寝室をひとつ増やしたり、逆に書斎を取っ払ってリビングを大きくしたりと、家族構成や生活の変化にあわせて間取りや内装を柔軟に変更することができます。
現在、多くの新築マンションではスケルトン・インフィルが採用されていますが、一戸建てにおける普及率は3割程度にとどまっています。技術的に対応できない工務店もあれば、スケルトン・インフィルやそれに近い工法を強みにしているハウスメーカーもあるので、住宅会社を選ぶ段階から注意するといいでしょう。