仕事ができる人が持っている
「巻き込み力」とは?

 先ほどもお話ししたように、仕事ができる人は自分ができないこと、あるいは不得意なことを知っています。人間、全方位的に何でもできる人は極めて少ないものですし、何でも自分でやろうとすると時間がいくらあっても足りなくなります。

 できないことや不得意なことに無駄に時間をかけず、周りを「巻き込み」、できる人にさっさと頼んでしまうことができるのが、仕事ができる人の持つ強みの1つです。不得意なことをあえてやって時間を浪費するくらいなら、他の人を巻き込んで結果に早く結びつけることを選ぶわけです。

 ですから、できないことをカミングアウトすることに、つまらないプライドなど持たず、堂々と迷いなく、他の人に頭を下げてお願いしてしまいます。

「できる人」と評判の人に何かを頼まれれば、頼まれた方も悪い気はしません。そして、これも先ほどお話ししたように、できる人は気遣いもできるので、その結果に対する感謝の気持ちを極めてうまく伝えることができます。これは、テクニック的なものではなくて、その人の持って生まれた資質のようなものかもしれませんが、そのお礼の言い方やタイミング、方法などが絶妙なのです。

 たいていの場合、そのお礼は本気で心から出てきたものであり、だからこそ人はその言葉に感動してよりその人をサポートしようという気になるわけです。

 できる人は、いわゆる「人たらし」であると私は確信しています。私の周りのできる人も、謙虚である上に、どこかしら隙があったり、油断させる何かがあったりします。

 私の知り合いに、業界の中では知らない人がいないくらい有名で、かつ敏腕なヘッドハンターの女性がいます。「困ったときにはその人に相談しろ」と言われるくらいのすごい人なのに、一緒にいると親しみやすさと温かさを感じます。すごく笑顔が素敵で、人の懐にすっと入ってきて、それが全然嫌みではない。

 この人に何か頼まれたら、多くの人は「イエス」としか言わないだろうな、と思います。だからこそ、多くの人に支えられて、さらに大きな成功を得られるのでしょう。