米国のウォールストリートジャーナルは、「全世界貿易紛争で最大の被害者は『ビッグプレーヤー』ではなく、韓国など間に挟まれた小規模開放経済国家になるだろう」と報じている。

 にもかかわらず、韓国の受け止め方は依然深刻さを欠いている。韓国政府は、米中貿易戦争に備えて点検会議を開いたが、「短期的に韓国の輸出に及ぼす影響は限定的だろう」(産業通商資源部)、「貿易対立が深化・拡散すれば不安要因になり得るだろうが、まだ韓国の輸出は良好な流れだ」(企画財政部)との見通しを示しているほどだ。

 確かに、政府として悲観的な見通しを示せば、投資家心理を冷やしかねないという警戒感もあったのだろう。だが、韓国政府が依然として好調だとする輸出の鈍化も予想以上に速い。4~6月期の輸出0.8%増という数字は、1~3月期の4.4%増と比べて大幅な減少だ。さらに輸入も鈍化しており、それだけ国内生産や投資活動が鈍化していることの表れともいえる。

低所得者層向け政策が
企業の足を引っ張る

 最低賃金の急激な上昇や労働時間の短縮は、ただでさえ不景気に苦しむ中小企業の負担を増大させている。深夜の産業用電気料金も値上げされるという。

 過去1年間に海外に工場を建設したり、設備拡張を行ったりした韓国企業は1884社で、5年前より約700社増え、海外投資額も3倍に膨らんでいる。一方で、その間、韓国の国内投資は3分の1以上減少した。これは、世界市場戦略に基づくというよりも、人件費の負担と企業にとって困難な環境を避けるため、海外に活路を見出して脱出しているのだ。

 企業現場では、中小製造業の国内大脱出が来年から始まるとの見方が多い。中小企業の反対にもかかわらず、政府が来年も引き続き最低賃金を2桁台で引き上げるとしているからだ。中小企業は、こうした政策を「韓国から出ていけというサインだ」と受け止めている。ちなみに韓国の最低賃金は、実質ですでに日本以上だという。

 こうした状況下で、韓国企業は苦しい経営を余儀なくされており、倒産が増加している。今年6月までに全国の裁判所に寄せられた倒産申請件数は836件で、過去最多を記録した。専門家らは、企業倒産件数が増えた理由として「不況のドミノ」を挙げる。自動車、鉄鋼、造船などの大企業が揺らぎ、売り上げの大部分をこれらの企業に依存する協力会社まで経営難に陥っているという分析だ。