本書の要点

(1)グーグルやアップル、アマゾン、フェイスブックといった企業は、「変な人」集団である。変な人だからこそ、革新的な事業を考案することができるのだ。そんな時代にあって、「ふつう」でいることはリスクである。
(2)著者は採用の際、その人の能力と成長度に加えて、「流れの良さ」を重視している。流れのいい人を見抜くにあたっては、ターニングポイントにおいてどのように意思決定をしてきたかが重要だ。
(3)「変な人」を育てるためには、理不尽をなくし、彼らが気持ちよく、意欲的に働ける環境づくりが重要だ。

要約本文

◆「普通」でいることのリスク
◇グーグルと日本企業の違い

 日本人は、「和をもって貴しとなす」とする民族性がある。だから若い人も「みんなと同じがいい」「ふつうがいい」と幼いころから刷り込まれてしまっているかもしれない。

 しかし、それではいけない。「みんなと違っていても、いい」と考え方を変える必要がある。なぜなら今は、「ふつう」でいることのリスクのほうが格段に高いからだ。

 昨今、グーグル、アップル、アマゾン、フェイスブックといった企業が圧倒的な強さを見せている。これらの企業が、この3、4年で世界の半分以上のビジネスを牛耳るのではないかとさえ言われているほどだ。これらの会社は、いわば「変な人」集団である。とくにグーグルは、「変な人」を採用し、彼らの遊び心を促進する社内制度を整えていることで知られている。だからこそ、革新的な事業を考案することが可能となっているのだ。

 こうした状況において、「ふつうの人」集団である日本企業はもう太刀打ちできないだろう。横並びになってことを成す時代は終わろうとしている。

◇「変な人」が活躍できるJTの社風

 一方、JTには「変な人」が多い。夢みたいな企画を実現したり、失敗ばかり繰り返しながらも1本の見事な場外ホームランを放ったりといった人がいる。そうした人たちを、JTは「やりたいようにやれ」と表だってけしかけているわけではない。しかし「変な人」に対して「どうせやめろと言っても聞かないから、やらせよう」とあきらめてくれる風土がある。