入院の平均日数は18年間で
10日近くも短くなっている
先日、日本経済新聞の記事に「入院の半分は10日未満」という見出しのグラフが掲載されていた(2018年6月16日付)。「日帰りから4日までの入院は29%、5~9日までが25%、10日未満は合わせて54%」という結果。2人に1人が10日未満で退院していることになる。
出典として「厚生労働省の患者調査をもとに作成」と記載があったが、患者調査でよく使われるのは「平均在院日数」のデータなので、こんな切り口の調査もあるのかと興味が湧き、調べてみた。
医療保険のパンフレットでよく見かける患者調査の「平均在院日数」とは、病気全体の平均在院日数(つまり、入院日数)のこと。私がFPになったばかりの頃に用いられていたのは1996年調査で、当時は40.8日であった。
最新の2014年調査では31.9日。18年間で10日近くも短くなっていることがわかる。ただしこのデータでは、入院日数の中央値がわからず、かねてからボリュームゾーンの日数を知りたいと思っていた。
厚生労働省のHPにある「患者調査の概要」には記載がなかったので、問い合わせてサイトの奥のほうにある調査結果のエクセルデータを教えてもらった。データをもとに作ったのが下のグラフだ。
円グラフで見ると、10日以内の入院が全体の半数以上であることが視覚的にわかりやすい。30日以内に退院する人は全体の83%、50日以内が90%。大多数が1ヵ月以内の入院なのである。