自民党本部Photo:PIXTA

「暗」の1つが宏池会。領袖である岸田文雄政調会長は悩みに悩んだ末、今回の総裁選には出馬せず安倍首相を支持すると決めた。

 岸田政調会長が同3日に開いた派閥研修会で「安倍総裁の勝利をしっかりしたものにすることが宏池会の次につながる」と主張しているように、安倍首相からの「禅譲」狙いであることは明白だ。

 宏池会は1991年に誕生した宮沢喜一内閣以来、一度も首相を出せておらず、派閥が弱体化してしまったが故の苦渋の不出馬決断だったといえる。

 もう一つの「暗」である党内第3勢力の平成研究会(竹下派)に至っては、衆参で足並みが乱れて「分裂投票」することになった。参院竹下派が石破支持を決めた一方、衆院竹下派は茂木敏充・経済再生担当相ら安倍首相を支持する有志議員が独自に選対本部を起ち上げた。

 経世会の流れをくむ名門派閥も宏池会と同様、1998年に発足した小渕恵三内閣以降、首相を輩出できていない。「経世会支配」と称され、日本の政界を牛耳ってきたかつての勢いはない。

 18年3月には参院竹下派が主導した“クーデター”によって、凋落の元凶とされた額賀福志郎元財務相が派閥会長の座から追い落とされ、経世会を創設した故・竹下登元首相の弟、竹下亘総務会長がトップに就任。名門復権に向けて再出発したが、総裁選でのお家騒動を見る限り、経世会の「鉄の結束」が復活するにはまだ時間がかかりそうだ。