まず、「販売価格」です。「販売価格」は、2013年の年央頃までは4000万円台の半ばで推移していましたが、その後は5000万円台に上昇し、2017年からは6000万円台で推移しています。販売価格は、市況が良く、需要が供給を上回るような状況でないと上がりませんから、この点では現在のマンション市況はかなり好調と言えるようです。

マンションに対する需要が強い理由としては、好景気が継続しているため所得が増加している、株式市場も数年の時間軸で見れば上昇傾向にある、景気改善が長期化しているため人々の将来に対するコンフィデンスが高まっている、長期金利は依然として極めて低水準で住宅ローンが借りやすい、タワーマンションの増加により交通の利便性が高い物件が増えている、等を挙げることができます。

 ただし、「契約率」が約68%にとどまっている点に注意が必要です。2000年以降、「契約率」は60%程度から85%程度の範囲で推移していますが、マンション市況が好調な時は80%を超えるのが普通と言われています。2012年から14年にかけては80%に近い「契約率」でしたが、その後徐々に低下し、このところは68%程度で推移しています。この68%の「契約率」では、マンション市況が好調だとは言い難いようです。

 このように、現在のマンション市況データからは、好不調が共存している状況が読み取れます。

 こういった状況は、なぜ起こっているのでしょうか。

高くなりすぎたマンション価格がネックに

 この現象のカギとなるのが、マンション価格の高騰です。前述の通り、現在の「販売価格」は6000万円台ですが、厚生労働省の国民生活基礎調査によると2017年の「住宅購入層の世帯当たり平均年収」(※)は約700万円です。とすると、6000万円台のマンションは住宅購入世帯の年収の約8.5倍となってしまい、平均的な世帯からするとかなり手が届きにくくなります。

 ちなみに、4000万円のマンションならば、平均世帯収入の5.7倍程度となり、無理のない住宅ローン返済が出来ると見なされる範囲内に収まります。

(※)「住宅購入層の世帯当たり平均年収」=住宅購入層を30歳以上59歳までとして、30歳代、40歳代、50歳代の世帯数が均等として、各年代層の平均世帯年収を平均して求めた。