日本損害保険協会の集計によれば、西日本豪雨に限ってみても、自動車や家屋などの水没被害による保険金の支払額は、8月時点で1340億円に上る(速報値)。すでにトップ10に入る水準に達しており、今後支払額はさらに膨らむ可能性がある(下表参照)。

 もっとも、業界全体で1000億円規模の保険金と聞くと業績への影響が懸念されるが、影響はさほど大きくならないとみているようだ。損保は、支払保険金が正味収入保険料の50%を上回るような大規模な自然災害が発生した場合、毎年積み立てている「異常危険準備金」を取り崩し、収益として計上することができる。

 また、引き受けた保険の一部には再保険をかけているため、支払った保険金がストレートに業績に直結するわけではないからだ。

ブラックアウトした札幌市内火力発電所の緊急停止によりブラックアウトした札幌市内 Photo:JIJI

 ただし、これまで大手各社は、自然災害などの損害リスクを地域分散させようと海外事業を急拡大させてきたが、昨年は米国での3度のハリケーンやメキシコの地震被害などが業績を直撃。災害が年々増加し複雑化する中で、いかにリスクを取っていくかという、保険引き受けの巧拙がこれまで以上に問われることになる。

 現時点での災害の被害状況はまだ想定の域を出ないが、今後さらに大きく膨らむ可能性は高い。