今後の経済運営の注目点は、3選目の政治的資源が十分にある2019年のなるべく早い時点で、安倍政権が消費税率引き上げをさらに先送りすることができるか否かだが、今のところ予定通りに秋には税率引き上げが決まりそうだ。

 そのように考えると、世界の景気の状況にもよるが、2019年後半には日本経済は景気の曲がり角を迎えそうだ。

憲法・外交への注力はエネルギーの無駄

 安倍氏は、憲法改正が個人的な「悲願」であると伝えられることが多いが、3選決定後の政治的資源を憲法改正に費やすのは「無駄」だ。各種の世論調査を見るに多数の国民は憲法改正を望んでいないので、国民投票を実現しても憲法改正には至るまい。

 また、日米地位協定をそのままに、いわば“子会社の定款”程度の存在である日本国憲法を改正しても、米国に従属し依存する「国の形」は全く変わらない。日本国民としては、米国が押しつけたものであるか否かにかかわらず憲法9条を楯に、「戦争には協力できない」という建前を持っている方が好都合だろう。

 もっとも、現実に自衛隊は存在するし、米国には金銭と時には少々の武力で誠意を見せねばならない。一方、米国が日本に距離を置き始めた場合に、自国をどう守るのかについては、陰で常に考えておく必要がある。

 根本的に日本の外交の善しあしを決めているのは、時の日本の政権の振る舞いよりも、米国がどう動くのかだ。この現実を考えると、日本は独自の外交政策など持ち得ないことが分かる。

 トランプ政権の意図は読みにくいが、貿易政策や対北朝鮮政策などを見ると、米国を「唯一の“スーパーパワー”として世界の面倒を見るような立場から、普通の大きな国」の立場に後退させようとしているように見える。保護貿易的政策を長く続けることは米国民の得にはならないだろうが、覇権国としての負担を減らすことは米国民の経済厚生にとってはプラスだろう。

 米国に対して“子会社”的立場である日本は、米国に合わせて身の振り方を決めるしかない。在韓米軍の撤退、ひいては在日米軍の縮小・撤退といった段階まで数年で進むとは思えないが、米国との関係をどのようなものにしていくのかが日本にとって大きな問題だ。

 方向性もタイミングも米国次第だが、将来、米国への従属と依存を続けるか否かの選択をしなければならない時期がくるかもしれない。だが、これは安倍政権の次の政権以降が取り組む問題だろう。