「こんなものは売れないだろう、と安易に決め付けないこと」とリサイクルアドバイザーの泉澤義明さんはアドバイスする。中高年世代は、若い世代よりも比較的価値の高いものを持っている傾向がある。自宅にあるものを出品するだけで、月のお小遣い程度なら十分稼げるポテンシャルがあるという。

 妻と娘のプッシュがやまず、坂本さんは骨董品の山から出品してみた。すると、あらビックリ。あっさりと買い手が付いたのである。

 今回、メルカリのヘビーユーザーである4人の中高年男性に話を聞いた。全員、自宅にすでにあった“捨てるに捨てられないもの”が次々に売れ、すっかり“メルカリ生活”にハマっている。あなたの家にもお宝が眠っているかもしれない。

仏壇も出品予定です
【生前整理】

メルカリでクリスマス商戦を意識クリスマス商戦を意識。骨董品店なら二束三文の掛け軸が7000円で売れた(下写真)

 夫が「この水差し、2000円くらいかな」と言えば、妻が「ちょっと高いんじゃないですか」と答える。

 工藤信一さん(80歳)は、スマホ片手に妻とこんな会話を交わすのが日常になっている。メルカリに出品するものの値付けはいつも二人で相談して決めているのだ。

 メルカリを利用するようになったきっかけは、生前整理。現在住んでいる一軒家を売却し、来春から娘の近所に移り住む。転居先は集合住宅で「とてもじゃないが全部は持っていけない」(工藤さん)。

メルカリで生前整理

 自宅にあるのは、骨董品や着物など、父母の遺品が中心だった。「仏像やつぼ、掛け軸など結構大きいものが多く、リサイクルショップに持っていくのも骨が折れる」と、その扱いに頭を悩ませた。それだけに、自分たちの遺品で子どもたちに迷惑を掛けたくないという思いも強くなった。

 テレビ番組の某“鑑定団”のようにはいかないが、掛け軸や仏像などを出品すると、数千円で売れた。今も和室の床の間には骨董品が数十点並ぶが「これでも3分の1に減った」と満足げだ。

 こぼすグチはすっかりヘビーユーザー然としたもので、「売上合計額が1万円未満だと振込手数料を取るというのは改めてほしい」そうだ。「マンション用のコンパクトなものに買い替えたい」と、最終的には仏壇も魂抜きをした後にメルカリへ出品する予定だ。