やればやるほど面白くなってきている――。『週刊ダイヤモンド』9月22日号の第一特集「新・価格の支配者 メルカリ」の拡大版として、メルカリの幹部たちのインタビューを特別連載でお届けする。3回目は、いよいよ創業者である山田進太郎会長に、人々の消費行動を変えたメルカリの歴史や、フリマアプリの先に目指す未来の姿について聞いた。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 大矢博之、委嘱記者 村井令二)
── モノを買うときに、メルカリなら幾らで売れるかをまず確認してから購入するという人が増えています。
1人1人のユーザー体験として、簡単に買える、簡単に売れるというアプリが、より大きな存在になってきたときに、リセールバリューを考えて買うという消費行動につながったのでしょう。
これは予想していなかったことですが、人間がモノを売買するのは本当にプリミティブかつ文化的な活動で、そういう根源的な欲求に忠実なサービスだったということですね。
モノを売るのは会社で、買うのは消費者という役割に分かれていたけれど、誰でもモノを売れるようになり、人間のプリミティブな欲求がテクノロジーで復活してきている。大量生産大量消費の時代から、元のプリミティブな状態に戻りつつあるという感触は受けています。
──6月に上場して何か変化はありましたか。
上場前は準備やロードショーでバタバタしていたので、その意味では今は落ち着いて仕事ができるようになりました。