ニコン、キヤノンが相次ぎ参戦を表明したフルサイズ版ミラーレスカメラ戦争。この戦いにパナソニックも参戦する。2019年春に製品を発売するほか、現在提携する独老舗カメラメーカー・ライカ社のマウントを採用、レンズメーカーのシグマも巻き込みレンズでも一挙に製品拡を図る。二大カメラメーカーと、ソニーなどの先行メーカーを相手に、現状では“弱小”メーカーであるパナソニックがなぜこの事業に参入するのか。パナソニックアプライアンス社の本間哲朗社長が週刊ダイヤモンドなどの取材に応じた。(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木洋子)
――これまでのパナソニックのカメラ事業の状況は。
2001年に参入後、光学高倍率・薄型化などで一定のポジションを築いたが、その後スマ―トフォンなどに押されて苦戦した時期もあったのは確かだ。だが、その後08年に独ライカ社とのアライアンスにより、世界初のミラーレスカメラを発売し、そのバランスを取り戻した。その後も4K動画や手振れ補正など世界初の仕組みにチャレンジし、その技術は他社にも採用されている。2年前からはハイエンド市場にシフトし、特に17年に発売した機種「GH5」については、ずば抜けた動画性能で業界からも高い評価をいただいた。業績的にも、昨年度は5%を超える営業利益率を確保できている。今回のフルサイズミラーレスカメラへの参入は、今後も収益を伴った成長をするために行なう新しいチャレンジだ。
――来春発売するというフルサイズミラーレスカメラ「Sシリーズ」は、どんなユーザーを対象とした製品なのか。