本間哲朗・パナソニックアプライアンス社長本間哲朗・パナソニックアプライアンス社長 Photo by Yoko Suzuki

 プロカメラマンだ。画質だけではなく、連写のスピード、電子ビューファインダーやグリップホールド、業界で初の100%シーリング(防塵防滴)を実現したほか、南極にまで持ち込んでも動作する技術を採用した。プロが使いたい時に必ず使える技術を全てつぎ込んだ。プロ向けのサービスセンターも秋葉原・梅田の2カ所で開設。さらに海外での業務用ビデオカメラのサポートセンターなども活用し、サービス拠点を拡充する。記録媒体には高速連写に対応したXQDカードとし、プロ仕様に対応したダブルスロットとしている。(先に発表されたニコン、キャノンのフルサイズミラーレスカメラと異なり)プロが本当に本番で使えるカメラとした。

――フルサイズカメラもほぼ最後発での参入だ。また、ミラーレス全体のシェアでも勝ち組とは言えない。勝機はどこにあるのか。

 現場から「フルサイズミラーレスカメラをやりたい」という声が上がったのは16年の初めくらいで、最初はとんでもないと思った。私は2000年からSDメモリーカードの事業責任者として、全てのカメラメーカーを回りSDカードを製品に実装していただく営業をしてきた。その時に、いわゆる光学カメラメーカーと互角に戦うハードルが高いのは理解していたからだ。

 だが、それ以前からもミラーレス技術を使ったプレミアムシフトは検討されてきていて、私がAP(アプライアンス・家電)社の社長になってからも何度も社内で議論されてきた。何に投資するか、誰と組むかなどの戦略も、その議論のプロセスの中で生まれた。

 カメラ業界が今後、フルサイズミラーレスに急速にシフトするのは明白だったし、市場で伸びるのはここしかない。ここで投資しないことはカメラ事業からの撤退を意味する。かなり長く議論をしたし、一時期そのためカメラの投資を中断していたこともあった。先行していた高級ミラーレス、GH5・G9である程度の実績を残すことがプロジェクトを実行に移すことの条件だったが、そのKPI(主要業績評価指標)を達成したことで今回、踏み切った。