一眼レフの二巨頭もついに、“本丸”を明け渡すことになるのだろうか――。世界の一眼レフカメラ市場のシェアを二分するキヤノンとニコンが、相次いで初のフルサイズミラーレスカメラを発表した。フルサイズミラーレスは、画質では一眼レフと同等以上の写真が撮影できるカメラだ。
両社とも、これまでのマウント(カメラボディとレンズを接合する機構)を変え、新たにフルサイズ用のミラーレスレンズも発売する。また従来の一眼レフカメラのレンズも専用のアダプターを使うことで旧来の一眼レフのレンズも使えるようになる。
「ニコンの100年の技術の集大成で、プロはもちろん幅広いお客様に使っていただける製品。このシリーズでミラーレスカメラシェアナンバーワンを目指す」とニコンの牛田一雄社長は訴え、「これまでの一眼レフカメラでは撮影することができなかった写真が撮れる。もちろんこのカメラでフルサイズミラーレスでもトップシェアを狙う」とキヤノンの真栄田雅也社長も鼻息が荒い。
そもそも両社は、プロカメラマン向けの商品をこれまでミラー付きの一眼レフカメラで揃えてきた。キヤノンのミラーレス製品は、センサーのサイズが一眼レフ換算よりも小さいサイズのものしかなく、基本的にはノンプロ向け。ニコンに至ってはエントリーユーザー向けに2011年に発売し、その後生産を中止したNikon1以外にはミラーレスを出していない。