ルミックスは、残念ながら日本では弱いポジションにある。だが現在米国、ヨーロッパで主にプロで動画撮影を行うカメラマンには高い支持を得ている。この主戦場を核に、フルサイズミラーレスカメラ市場の中、グローバルで10%のシェアを狙っていく。

 最後発ではあるが、動画の分野では80年代から蓄積した技術が当社にはある。88年に開発した世界初の手振れ補正技術は、ビデオカメラを発端に他社製品にも幅広く採用していただいている。また、高画質技術であるHDR(ハイダイナミックレンジ)規格もパナソニックが立ち上げたもの。よくテレビの規格と思われているようだが、これをカメラで展開できたのは、どちらも同じAP社で開発したものだからだ。今までデジタル分野でテレビを中心にデジタルAV事業をやってきた。その中で培ったデジタル画像処理でカメラメーカーと違う積み上げができていることも強みだ。

――10年間提携しているライカに加えて、(複数社のマウントのレンズを発売しているメーカー)シグマとも提携する理由は。

 当然のことながら、ボディだけではなくレンズがないと撮影はできない。今回採用するライカ社のLマウントで50mm、24-105mm、70-200mmの3本のレンズを、19年春に静止画用の47メガピクセル、動画撮影にも対応したハイブリッド型の24メガピクセルの2種類のボディと合わせて発売する。これを含み10機種のレンズを2020年末までにそろえる。さらに、すでに発売されているライカLマウントの8機種が使えるほか、今回の製品開発に合わせて、(いままでクローズだった)Lマウントをシグマにも開放した。シグマ社からも互換レンズが発売されるはずだ。ユーザーは豊富なレンズラインナップが活用できる。

――現在展開しているマイクロフォーサーズ(フルサイズの半分程度の大きさのセンサー)ミラーレスカメラからは撤退するのか。

 来春には、マイクロフォーサーズ向けのレンズの新製品も合わせて発売する。マイクロフォーサーズの小型化でき機動力がある特性は、フルサイズと棲み分けができるはずだ。市場もフラットだが縮小はしておらず、プロカメラマンの2台目として使ってもらっている実績もある。新製品と既存製品の自社競合を心配するほどのポジショニングに当社はまだいない。幸か不幸か、我々には守るものは何もない。思い切って持ち得る物を全てつぎ込み、一眼レフの市場を獲りにいく。