私は単なる不動産投資を勧めていないが、「自宅投資」は常に勧めている。理由は簡単で、金利と税制が有利だからだ。通常、都市部のマンションの利回りは4%で、スルガ銀行の金利は3.5%、ノンバンクの金利も2%以上になる。利回りと金利の差し引きは2%ないので、年平均で約3%はキャピタルロスになる投資用不動産では、この時点で損が確定する。これ以外に諸費用や税金が発生するので、逆転するにはキャピタルゲインか節税のどちらかがないと成り立たなくなる。

 それだけではない。一度購入してローンを組むと、ローンを返さない限り物件を売ることができず、借金返済地獄が続くことになる。特に新築ワンルームマンションなどは物件価格と同額のフルローンが用意され、購入諸費用がゼロに近い水準になっていて、購入がたやすくなっている。「自分はそんなに信用があるんだ」と勘違いして投資してしまう人も多い。もちろん借金返済地獄から抜けられないと、自宅は買えない可能性が非常に高い。

 だからこそ、税制と金利を利用することを考えよう。自宅の住宅ローン金利はネット銀行なら、0.5%を切る水準にある。これには住宅ローン控除というローン残高の1%を所得税還付する軽減税制がある。金利が0.5%で、1%の税還付をすると、0.5%のマイナス金利になる。話を簡素化するために「購入価格=ローン借入額」とすると、マンションの利回り4%(賃料を払うなら物件価格の4%)に0.5%のマイナス金利となり、実質4.5%の利回りの物件になるということだ。自宅マンションのキャピタルロスは平均年2%なので、2.5%相当が毎年残っていくことになる。

40平方メートル台の物件に
値上がり期待がある理由

 この住宅ローン控除の制度に、不動産業界団体から政策提言の形で要望が出されている。マイホームの面積は一般的に50平方メートル以上と認識されていたが、単身者の自宅購入が増加していることを背景に、40平方メートル以上、もしくは30平方メートル以上への変更を促すものである。この要望は数年前から出されていて、採用されなかった経緯がある。