米国では、原油相場が1バレル=80ドルを超えたことにドライバーらがいら立っている。一方トルコでは、この原油高で経済全体が景気後退に陥る可能性がある。23日に主要産油国が原油生産量の現状維持を決めたことを受け、原油の国際価格はドル建てで2014年11月以来の高水準に達した。トルコリラ建ての原油価格は今年に入ってからほぼ2倍になり、過去最高水準に達している。リラ相場は、トルコ中央銀行が政策金利を24%に引き上げた13日以降、比較的落ち着いている。それでも対ドルでは年初来約38%の下落だ。その背景には、中銀の独立性欠如や、国内企業や銀行が抱える維持不能な水準の債務を巡る懸念がある。リラ安を受け、トルコ国民は国産の自動車や冷蔵庫やコンピューターを買うことが増えるだろう。消費者は少し損をするかもしれないが、消費財を扱うコチやドウシュなどトルコの大企業は利益を得るだろう。輸出業者も恩恵に浴する。観光業界も今年夏は盛況だった。