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「お互い正社員で稼いでいるんだし、財布は別々。細かいことを言わないほうがうまくいく」。結婚12年目の佐藤夫婦は、そう信じて完全別財布で家計を管理してきた。ところが妻が体調を崩して退職、収入がなくなってしまった。「これまで自分が負担していた支払いを手伝ってほしい」という妻の訴えに、夫が返した言葉は「仕方ないよね」。もはや夫の説得は不可能と判断したFPが提案した、意外な「作戦」とは?(家計再生コンサルタント 横山光昭)

増える「夫婦別財布」、その落とし穴

 共働き世帯の増加とともに、「収入も支出も各自で管理する」という「夫婦別財布」の家計管理を選ぶ家庭は、珍しくなくなりました。時代の流れを考えれば、夫婦別財布の家計管理が広がるのも自然なことだと思います。

 別財布で管理する方法自体は悪いとは思わないのですが、問題なのは、家計があまりに「自分だけ」で完結してしまっている場合です。そうなると、いざ何かあって家計を共有しようとする際、驚くほど話が進まないケースを、これまで何度も見てきました。

 私は基本的に、家計は一つの財布にまとめるのが理想だと考えています。それが難しい場合でも、共有する部分をできるだけ多く持つことが、家計管理をうまく回すコツです。ところが最近は、その「共有」がどうしてもできないご夫婦が増えている印象があります。

結婚12年目、突然訪れた危機

 以前相談に来られた、関東在住の佐藤ユウジさん(50歳)、ナオミさん(47歳)夫婦も、まさにその典型でした。結婚12年目で、小学生の子どもが1人います。

 結婚当初から、家計は完全に別財布。「お互い正社員で稼いでいるし、細かいことを言わないほうがうまくいく」それが2人の共通認識でした。