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9月25日、東京都内で記者会見した田中正明社長は、「救済目的の投資は行わない」と強調。純粋に投資会社としてリターンの最大化を追求する方針を示した Photo by Reiji Murai

 新巨大官民ファンドは変われるか──。産業革新機構(INCJ)を改組して産業革新投資機構(JIC)が9月25日に発足した。記者会見で田中正明社長は「一件一件の投資にも経済産業大臣の意見が必要という仕組みが投資をやりづらくしてきた」と、旧産業革新機構の構造問題に切り込んでみせた。

 2009年に発足した産業革新機構は、次世代の国富を担う産業の育成を目的に、当初はベンチャー育成が期待されたが、9年が経過して突出したのは大企業の再編投資だ。しかも、その投資総額のほとんどはジャパンディスプレイ(JDI)とルネサスエレクトロニクスの2件が占める。

 いずれも政府の意向を強く反映した大型案件で、これ以外にも、東芝の子会社、東芝メモリの出資交渉では、政府の直接の介入に翻弄された産業革新機構の姿があらわになったばかりだ。結果、産業革新機構は構造的に政府の介入を許す仕組みが問題点として認識されるようになり、そうした反省で生み出されたのがJICだった。

 新組織のJICは、原則として新設するファンドが投資を担う仕組み。経産大臣の許可が必要なのはファンドの設立時のみで、その後はJICの判断で自由に投資活動を展開できる構造に改まった。

 JICは19年3月末までに、大企業の事業再編やベンチャー投資など、複数のファンドを設立する計画だ。政府との関係では「産業競争力の強化」という政策目標を共有しながら、その介入を排除する仕組みの中で、純粋に投資リターンの最大化を追求する。