ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は6月に首脳会談を行って以来、英語で一連の声明を出してきた。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領もそこに一枚加わってきた。非核化や北朝鮮市民の生活向上への希望を抱かせる曖昧な言葉をちりばめてだ。しかし、文氏が自国語で語るのは別の物語だ。文氏が9月に北朝鮮で行った演説を考えてみよう。9月18日の夕食会では、文氏は「平壌の発展に心から驚いている」と語った。この「発展」が北朝鮮市民にいかなる好影響を与えたかについては言及しなかった。平壌の外では、北朝鮮国民は苦しんでいる。政権が核弾頭やミサイル、そして幹部らを満足させておくためのぜいたく品に国の資源を集中させるなか、北朝鮮の子供の3分の1は栄養失調に陥っている。